訪問看護ってどんなサービス?初めての方向け完全ガイド

公開日:2025年6月|監修:在宅医療・介護専門ライター

「病院や施設じゃなくて、自宅で安心して療養したい」「退院後の生活が不安…」「介護してきたけど負担が大きくなっている」そんな方を支えるのが訪問看護です。このガイドでは、訪問看護の基本から費用・申請方法まで、初めての方にもわかりやすく丁寧に解説します。

訪問看護とは?基本をわかりやすく解説

訪問看護とは、看護師やリハビリセラピストなどの医療専門職が自宅へ訪問し、療養上の世話や医療的なケアを提供するサービスです。病院や施設ではなく「住み慣れた自宅で、その人らしい生活を継続したい」という願いをサポートすることを目的としています。

日本では少子高齢化の進行とともに、在宅医療・在宅介護へのニーズが急速に高まっています。厚生労働省のデータによると、訪問看護の利用者数はこの10年で約2倍以上に増加しており、今や在宅ケアの中核を担う重要なサービスとなっています。

訪問看護と訪問介護の違い

混同されやすいのが「訪問看護」と「訪問介護」です。両者の違いを整理しましょう。

項目 訪問看護 訪問介護
担当スタッフ 看護師・保健師・理学療法士 など 介護福祉士・ホームヘルパー など
主な内容 医療的ケア・療養上の世話 身体介護・生活援助
指示書 医師の訪問看護指示書が必要 不要
対象 医療・介護保険の対象者 主に介護保険の対象者

訪問看護は医師の指示書をもとに動く「医療行為も担えるサービス」であり、専門性の高さが最大の特徴です。

訪問看護で受けられるサービス内容

訪問看護では、利用者の状態や医師の指示に応じて、幅広いケアが提供されます。

① 健康状態の観察・管理

体温・血圧・脈拍・呼吸状態などのバイタルサイン(生命徴候)の確認を定期的に行います。異常の早期発見と主治医への報告も重要な役割です。慢性疾患(糖尿病・高血圧・心疾患など)をお持ちの方にとって、日常の健康管理を専門家に任せられるのは大きな安心です。

② 医療処置・医療的ケア

主な医療処置の例

  • 点滴・注射・採血
  • カテーテル(尿管・中心静脈)の管理
  • 褥瘡(床ずれ)の処置・予防
  • 人工呼吸器・酸素療法の管理
  • 胃ろう・経管栄養の管理
  • 気管切開の管理・吸引
  • ストーマ(人工肛門・人工膀胱)のケア

③ 服薬管理・指導

薬の飲み忘れや飲み合わせの確認、副作用のチェックを行います。高齢者や多くの薬を服用している方への丁寧な服薬指導は、治療効果の向上につながります。

④ リハビリテーション

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問し、身体機能の維持・向上を目指したリハビリを提供します。脳卒中後の麻痺、骨折後の回復、摂食・嚥下障害、重症心身障害や先天性変形の緩和など、多岐にわたる状態に対応しています。

⑤ 精神科訪問看護

統合失調症・うつ病・依存症などの精神疾患を抱える方に対して、専門の看護師が心理的サポートや生活支援を行います。通院が難しい方でも継続的なケアが受けられる点が大きなメリットです。

⑥ ターミナルケア(看取り支援)

人生の最終段階において、本人と家族が安心して自宅で過ごせるよう、疼痛管理や精神的サポート、家族へのグリーフケアを含む看取り支援を行います。「住み慣れた場所で最期を迎えたい」という希望を叶えるための大切なサービスです。

訪問看護を利用できる人・条件

訪問看護は医療保険介護保険の2つの制度から利用できます。どちらを使うかは、年齢や状態によって異なります。

介護保険を使う場合

原則として65歳以上で要支援・要介護の認定を受けている方が対象です。40〜64歳の方でも、特定疾病(16種類)が原因で要介護状態になった場合は利用可能です。ただし、厚生労働大臣が定める疾病(重症な神経難病など)に該当する場合は、介護保険ではなく医療保険が優先されます。

医療保険を使う場合

年齢に関わらず、医師が訪問看護を必要と判断した方すべてが対象です。乳幼児や小児、40歳未満の方、介護保険対象外の疾患をお持ちの方なども医療保険で利用できます。精神科訪問看護も医療保険の対象です。

 

申請方法について

ご自身の状況に合わせて、以下のいずれかに相談してみましょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)
すでに介護保険を利用している(要介護認定を受けている)場合は、担当のケアマネジャーに「訪問看護を使いたい」と伝えるのが一番スムーズです。

かかりつけ医・病院の相談窓口
病気の治療中で、病院に通院・入院している場合は、主治医や病院の「地域連携室」「ソーシャルワーカー」に相談してください。

地域活動支援センター・地域包括支援センター
介護認定を受けておらず、どこに相談していいか分からない場合は、お住まいの地域の包括支援センターが初期の相談に乗ってくれます。

  • 相談・問い合わせ
    上記の窓口、または直接訪問看護ステーションへ連絡します。
  • 主治医の「訪問看護指示書」の発行
    訪問看護を始めるには、医師の指示書が必ず必要です。
    主治医が診察をもとに発行します。
  • ケアプランの作成(介護保険の場合)
    ケアマネジャーが、他の介護サービスとのバランスを考えて
    利用計画を組み立てます。
  • 契約・サービス開始
    訪問看護ステーションのスタッフが自宅を訪問し、
    丁寧な説明と契約を行ったあと、実際のサポートが始まります。

費用負担について

訪問看護は、「介護保険」を使うか「医療保険」を使うかによって、料金の計算方法や明細の仕組みが異なります(どちらの保険になるかは、年齢や病名によって主治医が決定します)。

どちらの保険でも地域(自治体)ごとに異なり、都市部と地方で基本料金に多少の差が生まれます。

介護保険を使う場合
介護保険の訪問看護は、「訪問時間」によって基本料金が決まります。
ここでは、「週に1回(30分〜1時間未満)看護師が訪問した、1ヶ月(4回)の明細モデル」をご紹介します。
1ヶ月の利用料明細イメージ(介護保険)
※加算やオプションの有無により多少前後する、堺市での一例です。
項目(サービス内容) 総額(10割の料金)
基本の訪問看護代(約9,040円 × 4回訪問) 約 36,170 円
24時間いつでも相談できるサポート代(月1回) 約 6,050 円
合計金額(全体のサービス総額) 約 42,220 円
自己負担割合と実際の支払い金額(介護保険)
あなたの負担割合 1ヶ月の実際の支払い金額(目安) 対象となる方の目安
🔴 1割負担 約 4,220 円 65歳以上の一般所得の方 / 40〜64歳の方
🟡 2割負担 約 8,440 円 65歳以上で一定以上の所得がある方
🔵 3割負担 約 12,670 円 65歳以上で現役並みの所得がある方
医療保険を使う場合
医療保険の訪問看護は、病院の受診と同じように「初回訪問時」と「2回目以降」などで基本料金が変わります。
ここでは、「週に1回(30分以上)看護師が訪問した、1ヶ月(4回)の明細モデル」をご紹介します。
1ヶ月の利用料明細イメージ(医療保険)
※夜間対応や特別な処置などにより前後する、おおよその目安です。
項目(サービス内容) 総額(10割の料金)
基本の訪問看護代(当月初回:5,550円 / 2回目以降:2,980円×3回) 約 14,490 円
24時間いつでも相談・往診できるサポート代(月1回) 約 14,450 円
合計金額(全体の医療サービス総額) 約 28,940 円
自己負担割合と実際の支払い金額(医療保険)
あなたの負担割合 1ヶ月の実際の支払い金額(目安) 対象となる方の目安
🔴 1割負担 約 2,890 円 75歳以上の方(一定の所得を除く)
🟡 2割負担 約 5,790 円 70〜74歳の方(一定の所得を除く)
🔵 3割負担 約 8,680 円 現役世代の方(小学生〜69歳)/ 70歳以上の現役並み所得

 

補足:医療保険の負担を減らす制度について
ご病気や収入、お住まいの地域によっては、負担をさらに減らせる公的なサポート制度が使える場合もあります。制度の有無や条件は地域によって異なりますので、お住まいの自治体(役所)やケアマネジャー、病院の相談員(ソーシャルワーカー)へご確認ください。

 

参考になりましたでしょうか?今後もこのような発信を続けていきますので閲覧お願いします。

 

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